ミラクル☆トレイン
[ 2011.11.16(水) 01:38 ]
SSあり

140文字作文まとめ+α その6

twitterで書いた140文字作文の自分用まとめ、その6です。
診断メーカーで出てきたお題に沿っています。

おまけで、140文字より長いSSもついてます。

というわけで以下、新宿×六本木のSS(1つ140文字)です。
描写レベルは、人畜無害〜ぬるい朝チュン。


■お題『信じたい、でも、信じられない』(2011.09.02 23:29)

「新宿さん。僕のこと、好き?」付き合いだしてから、何度もしてきた質問。「好きだよ」その度に答えてくれる言葉を信じたい。でも、信じられない。優しい新宿さんは、多分みんなのことが『好き』だから。言葉だけじゃ信じられなくて、その首に腕を回す。…目一杯可愛がってくれたら、信じてあげるね。

■お題『「肌」と「乱」と「純」を全部使って文章を作りましょう』(2011.09.10 01:51)

新宿さんとデート中、ふとショーウインドーに飾られた純白のウェディングドレスが目にとまった。肌理の細かい布地に照明が乱反射して、とても綺麗だ。「着てみたい?」「…ちょっとね」「へぇ、意外」「だって、新宿さんが眩しいから」「?」隣に立つなら、あれくらい輝いていないと見劣りしちゃうよ。

■お題『「仕事中」「興味」「渡さない」』(2011.10.08 21:56)

新宿さんとは、仕事中でもそれ以外でも一緒にいる。だから、お互いのことで知らないことなんてないくらいだ。でも、僕の心だけは別。ほとんどを見せても、全部は渡さない。ほんのちょっとだけ秘密にしておくんだ。それは、僕から仕掛ける恋の駆け引き。ずっと僕に興味を持っていてもらえるように、ね。

■お題『「昼」「唇」「はやく」』(2011.10.29 12:59)

「今、ヒマ?」「ううん、忙しい」肩に回された腕をやんわりと払う。新宿さんは「相変わらずマジメだな」って笑うけど、本当は違う。自分を戒めないと溺れてしまうから、昼の間はマジメな僕を演じているだけ。できるなら今すぐ、艶っぽいその唇にむしゃぶりつきたい。だからはやく、日が傾かないかな。

■お題『「もうすこし、このまま」「きらいにならないで」「きっと、嫌いになるでしょ」』(2011.11.03 12:01)

「今日こそOKもらえる?」新宿さんは隣に腰を降ろすと、いつものように僕を口説いてきた。僕の答えは変わらず「NO」。飽きっぽいこの人の「好き」はすぐ「嫌い」に変わるだろうから、とてもOKなんて出せない。でも、もし明日も僕のことを好きでいてくれるなら…もう少しだけ、隣にいてほしいな。

■お題『「H23.11.04 = えっちなふみのいいおしりの日」と聞いたので』(2011.11.04 12:45)

俺の恋人は、昼夜を問わずエロティックだ。そう言うと、昼の間はものすごい勢いで否定される。だが黒いベストに強調された腰はしなやかに俺を誘い、そこから続くなだらかな曲線は、俺の愛を受けとめた昨晩の行為を思い出させる。その魅惑の身体を見せつけながら無防備に笑うなんて、無自覚は罪、だな。

■お題『支配されたい』(2011.11.07 00:02)

新宿さんに対して抱いているのは、不相応なライバル心と、それに相反する恋心。惚れたことは後悔してないけど、自分から白旗を掲げたようなものなので、ちょっと可笑しい。いっそ、どうあがいても敵わないんだって、身体に刻み込んでほしいな。そんなこと絶対にしない優しさには、もう囚われてるけど。

……………………

■お題:ポッキーゲーム (※例によって当日更新を逃しました)

その夜、僕は新宿さんの部屋に呼ばれていた。
ただの友人だった頃もよく遊びに来てはいたけど、恋人になってからはさらに頻繁に来るようになった。
逆に新宿さんが僕のところに来ることは少ないので、必然的に僕は新宿さんの部屋にいることが多くなる。
なんだかこれじゃあ、どっちが本当の自分の部屋なのか分からないな。
苦笑しながら、僕はポケットから取り出した合鍵をドアの鍵穴に差し込んだ。

部屋に入ると、新宿さんはリビングのソファーにくつろいだ様子で座っていた。
ちょうど目が合い、笑顔で手招きされる。
艶っぽい、そしてどこか悪戯を考えている時の子供のような笑顔。
僕が夜になると性格が変わるように、新宿さんも少し性格が変わる。
昼よりも大胆に、かつ妖艶に。
相手を引きずり込んで逃さないような、そんな底無しの色っぽさがある。
もっとも新宿さんの場合は、昼の間は意図的に、そういう部分を表に出さないようにしているだけなのかもしれないけど。

僕は手招かれるままに、新宿さんに近寄った。
「何ですか?」
「ほら、これこれ」
僕の質問に、新宿さんは右手に持った何かを軽く振る。
それはお菓子の――ポッキーの箱。
「今日が『ポッキーの日』だっての忘れてたよ。今からやろうぜ」
「やろうって……もしかして、ポッキーゲーム?」
「ああ」
悪戯っぽい笑顔の原因は、それだったらしい。

ポッキーゲームは、一本のポッキーの両端を二人が口にくわえて、口を離さずに食べ進むゲーム。
ルール上は、先に口を離した方が負け、ということになっている。
ただしそのルールに従って口を離さずに最後まで食べきった場合、その二人はキスをすることになる。
新宿さんに限らず、このゲームをやりたいという人は、だいたいそれが最終目的になるわけだ。

「……」
僕は無言で、新宿さんの手から箱を取り上げた。
新宿さんはあからさまに不服そうな視線を向けてくる。
それを確認してから顔を近づけ、僕の唇を新宿さんのそれに押し当てた。
「……っ?」
至近距離で新宿さんが目を丸くする。
いつもこういう不意打ちをされるのは僕なのだから、たまには僕からさせてもらおう。

「どうせ、キスしたいだけでしょ?」
新宿さんの返事を待たずに、僕は言葉を続ける。
「それで目的は果たしましたよね。 というわけで、これは僕がもらっておきますので」
今度は僕がポッキーの箱を顔の横に掲げて、軽く振る。
その僕の腕を、新宿さんが掴んだ。
「……ちょっと待てよ」
「何ですか?」
今度は新宿さんの方から顔が近づいてきて、僕は唇を塞がれた。

新宿さんは、からかうような声で僕に尋ねる。
「その箱に、ポッキーが何本入ってると思ってるんだ?」
「……え?」
「一回だけじゃ、全然足りないだろう」

新宿さんは僕の腕を掴んだまま、なおもキスを迫ってくる。
それをなんとか押し返して、僕は反論する。
「……まさか、これ全部でポッキーゲームするつもりだったとか、言いませんよね?」
一つの箱には、たしか40本くらいのポッキーが入っているのだ。
数本なら楽しいゲームだが、そんなにやったら間違いなく飽きるだろう。
だが新宿さんはくすくす笑いながら、それをあっさりと肯定する。
「そのつもりでした」

絶対、嘘だ。
ポッキーゲームをしようと言い出したことがキスをするための口実なら、今の言葉は回数を増やすための口実。
でも、それが嘘なのかどうかは、僕には証明できない。
たとえ証明できたとしても、抗うことはできないだろう。
新宿さんがそう言っている以上、僕はその言葉に従うしかないのだ。
それは惚れた弱みなのか、それとも新宿さんの持つ底無しの魅力のなせる業なのか。

……まあいいか。
僕は黙って目を閉じた。
どうせ今夜、一箱分くらいはキスする予定で来たのだから。