ミラクル☆トレイン
[ 2011.04.13(水) 01:01 ]
SSあり

140文字作文まとめ+α

twitterでいくつか短文を書いたので、自分用にまとめておきます。
1回の投稿に140文字までしか書けないので、なかなか難しいです……。

あと、診断メーカーのお題で書いたSSも載せておきます。

というわけで以下、新宿×六本木のSSです。
描写レベルは、140文字作文:人畜無害、SS:キス程度。


140文字作文。

■節電でテンションの低いミラクル☆トレイン (2011.03.31 19:53)

節電で駅の照明が控えられていることは俺達にも影響するらしく、皆一様にテンションが低い。隣でパソコンを叩いている史も先程からため息ばかりだ。「こら。ため息1回ごとに5回キスするぞ?」冗談半分で言うと「いいよー…」ぼんやりと答えて、またため息。…我に返ってからの苦情は受け付けないぜ?

■すきなひと (2011.04.10 23:06)

「新宿さん。好きな人、いますか?」 「いないけど? …恋の相談かな、子猫ちゃん?」 質問をいつもの笑顔で茶化す新宿さんは、本当にずるい。僕の気持ちなんてお見通しのはずなのに。 「…違います」 立ち去ろうとした背中に、声がかけられた。 「ま、愛してる奴ならいるけどね。俺の目の前に」

■すきなひと・続 (2011.04.11 00:49)

驚いて振り返ろうとした僕の背中に、とすんと重みがかかる。 「で、子猫ちゃんには好きな人、いるのかな?」 耳元で聞こえる声。嬉しくて、言葉が涙で詰まる。 「分かってる…くせに」 「ちゃんと本人の口から聞きたいな」 そう言いながら新宿さんは僕の口を塞ぐ。 …そんな矛盾も、全部、好き。

■新宿さんにきゃんきゃん吠える六本木くん(新宿さん視点) (2011.04.11 20:24)

『新宿さんには負けません』 その言葉を、俺は何回聞かされただろうか。 ある時は得意げに、ある時は挑発的に。毎晩毎晩、よく飽きないものだ。 「新宿さん、話聞いてますか!?」 俺の街に追いつこうと必死なようだが、俺は今のままでいて欲しい。 だって、この応酬がたまらなく楽しいのだから。

■新宿さんにきゃんきゃん吠える六本木くん(六本木くん視点) (2011.04.11 20:26)

僕がどれだけ突っ掛かっても、新宿さんの反応はいつも同じ。 「はいはい」 そう言って苦笑するだけ。対等に扱われないことが悔しくて、今夜も僕は彼の部屋を訪れる。 「よお、遅かったな」 今日こそ、僕を認めさせてみせる。 出迎えてくれた笑顔に嬉しくなるなんて、気のせいに決まっているから。

■濡れ新宿に食べられた桜色の史(※発言は某淑女) (2011.04.11 23:23)

「酷い目にあった…」新宿さんが鬱陶しそうに濡れた頭を振った。二人で夜桜見物に行った帰りに、突然の雨に降られたのだ。少しの距離だったが結構濡れてしまい、体はすっかり冷えている。「とりあえずシャワー浴び…」僕が言いかけた言葉は遮られた。「…それより、もっと暖まることがあるだろ?」

■シュークリームor俺 (2011.04.12 01:49)

「史。俺とシュークリーム、どっちが好き?」 幸せそうに食べる姿を見ていたら、自然と質問が口をついて出た。 「貴方です、って答えて欲しいの?」 「うん」 だが無情にも史はシュークリームを指差す。 「こっち」 それから俺を指差して、蟲惑的に微笑む。 「食べられちゃうなら…こっち」

私が思いつくシチュエーションは回りくどいやりとりになることが多いので、
140文字だと話がどうも中途半端に……。精進します。

……………………

■お題『いたずらして反応を楽しむ』

新宿さんとつき合うようになってから、ずっと考えていることがある。

――新宿さんが本気で驚いた顔を、見たことがない。

つき合うきっかけになった告白は、僕からだった。
いきなり知り合いの男から恋を打ち明けられたにもかかわらず、新宿さんは平然としていた。
そして、優しく微笑んだ。
「知ってたよ」

それからずっと新宿さんをそばで見ているけど、この人は本当に驚かない。
いつも余裕で、そして物事を先回りして見ているかのようだ。
でも新宿さんの行動は、僕には予測できない。
そのせいで、いつも僕ばかり驚かされて、振り回されて、慌てさせられている。
そんな関係が嫌いなわけじゃないけど、一度くらい、僕が新宿さんを驚かせてみたい。

だから今日は、とびきりのいたずらを用意したんだ。

「おーい、六本木ー? 呼び出しといて、どこ行ったんだー?」
僕は、ミラクル☆トレインの、普段は使われていない車両に、新宿さんを呼び出した。
そのさらに隣の車両のドアの影に身をひそめて、新宿さんがドアを開けるのを待つ。
自信はある。
これなら、いくら新宿さんでも絶対に驚く。

「……こっちの車両か?」
すぐ近くで新宿さんの声がして、ドアが開かれた。
……よし、今だ。
僕はタイミングを計って、新宿さんの目の前に飛び出した。
「……新宿さんっ!」

「ろ……」
新宿さんの目が大きく見開かれ、口も半開きになる。
何か言いたいようだが、言葉が出てこないみたいだ。
「……びっくり、しました?」
僕がおそるおそる尋ねると、新宿さんは気の抜けた返事をした。
「……ああ」

……よし、成功っ!
僕は心の中で、小さくガッツポーズをした。
その僕を力なく指差して、新宿さんが尋ねる。
「六本木。 ……それ、俺を驚かせるために着たのか?」
「はいっ!」

僕が返事をすると、新宿さんは小さくため息をついた。
そして、自分の肩にかけていたジャケットに袖を通し始めた。
シャツの裾もズボンにしまって、ゆるく交差させているだけのネクタイも結びなおす。
普段見慣れていない、妙にきっちりとした格好にちょっとドキドキする。
でも、何をしているんだろう。
不思議に思っていると、新宿さんは僕に向けて手を差し伸べた。

その手を取った次の瞬間、体が宙に浮いた。
新宿さんに横から抱え上げられて、視界がくるりと回る。
「し、新宿さん……っ!? な、何するんですか!?」
この新宿さんの行動は、まったくの想定外だった。
せっかく新宿さんを驚かせることができたのに、また僕が驚かされてどうするんだ。

慌てふためている僕を見て、少しあきれたように、でも楽しそうに新宿さんがつぶやく。
「……ウェディングドレスを着た恋人を見たら、取る行動はひとつだと思うけど?」

……そう、なのかな?

そのことについて考える間もなく、唇が重ねられた。
今日もいつもと同じ。
僕ばかり慌てさせられて、ドキドキさせられている。

このドキドキは、驚いたから、だけじゃないのは分かってる。
腕が回されている背中も、触れ合った唇も……全部が熱くて、そのせいで胸がどうしようもなく苦しい。
僕ばかりこんな目に遭うなんて、不公平だと思う。

だから次こそ、ちゃんと驚かせてみせる。
そう心に誓いながら、僕からもそっとお返しのキスをした。